No.60


【雑学】アパートと長屋の違い

アパートと長屋って何が違うの?

 この間散歩していたら「長屋建築反対!」というのぼりを見かけた。地域住民がアパート建設に反対することはよくあるけれど「長屋」という単語が気になった。なぜ「アパート」でなく「長屋」と明記されているのだろうか?

 なお、マンションもアパートと同じ区分に属するので表記はアパートのみとする。


アパートと長屋の定義の違い

 結論から言うと、「共同住宅か否か」の違いと考えてOK。もちろん厳密には違うのだろうけど概ね間違いではないのでこの言い方が一番わかりやすい。


アパートの定義

 「建物に共有部分が有ること」がアパートの定義となる。

 旧有する廊下、階段、玄関、エレベータなどがある建物はみんなアパートだ。


長屋の定義

 「建物に共有部分が無いこと」が長屋の定義となる。

 前述のような共有部分がなく、それぞれの部屋の出入り口が直接外界に面していることが条件となる。

 二階建てでも、二階のそれぞれの部屋に直接繋がる階段のみで出入りするならばそれは長屋となる。


他に違うことは?

 消防法の扱いが変わってくる。

 アパートは集合住宅なのでアパートに対して消火設備の設置が義務づけられる。よくアパートの廊下に消火器が置いてあるのがそれだ。それに対して長屋は戸建てのような扱いなので消火設備の設置は義務がない。

 なお、火災検出器はアパートでも長屋でも設置が義務づけられているので差は無い。


地域住民が「長屋」を反対する理由

 推測だが、長屋はアパートよりも家主の義務が軽減される分、家賃が安めなのではないかと思う。その結果、周囲の他の物件よりもより安い物件を好む層が集まり、結果として治安が悪くなるなどの危惧を持つのではないだろうか。