No.335
【雑学】水とマグマの関係
なぜ水があるとマグマができやすくなるのか?
地殻を構成する岩石はケイ酸塩鉱物が主体となっている。
ケイ酸塩鉱物はケイ素原子(Si)が4個の酸素原子(O)で囲まれた四面体構造をとっている。
各四面体が酸素原子を共有して構造を作る事で強固な構造になっている。
SiO2のイメージ
O O
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O-Si-O-Si-O
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O O
※Oが4個あるが、それぞれを他の四面体と共有しているのでそれぞれ1/2と見なして2個となる。
ここに高圧下で水が加わると酸素原子(O)が水酸化物イオン(OH)に置き換えられる反応が起きる。
この反応は高圧であればあるほど加速する。
SiO2 + H2O = SiO2H のイメージ
O O
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O-Si-OH OH-Si-O
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O O
この結果、強固な酸素による結合を解かれてしまうため融点が大幅に下がる。
下記の資料によると
地殻の主要な構成成分である斜長石の融解温度が300℃程度下がるという結果が記載されている。
また、上記資料では水の含有量によって融点が500℃近く下がることが示唆されている。
これは前述の酸素原子の置き換え反応が発生する割合が高くなるためと考えられる。
まとめ
以上のことから
- 高圧であればあるほど(深ければ深いほど)
- 水の含有量が高ければ高いほど
- 高温であればあるほど
岩石が溶けやすくなり、マグマになりやすくなる、と言える。