No.115


【MIDI】MIDI機器の信号接続

MIDI機器はなぜ直接接続されないのか

 MIDI機器同士は直接電気的に繋がっていない。

 デジタルの電気信号を伝えるのだから触接電気信号をやりとりすればいいと思うだろうけど、わざわざ一度「フォトカプラ」という素子を使って光信号、つまりアナログデータを介してデータをやりとりしている。

MIDIハードウェア規格

フォトカプラ

 一見意味の無い行為に見えるこの接続方法には電気回路(の集合体)を扱う技術者の知恵と汗と涙が結集されているのだ。

 なお、小電力・大電力問わず、クリティカルな制御系では結構使われていたりするので、MIDIが特殊というわけではない。


利点

 利点は「電気的に断絶していること」。これにつきる。

 電気的に繋がっていないことでの主な利点は下記がある。

  • 他の機器の電気的ノイズを(端子からは)受けない
  • 他の機器の事故の影響を受けない
  • グランドループを防げる

 前者2つはケーブルを伝わってくるノイズや暴走した機器からの誤信号に対する防御。

 最後のグランドループ とは、複数の機器が電気的に繋がることで複数のグランド(接地)が存在してしまい、その間で電気的ループが発生してしまう現象。音響機器ではノイズの原因になる。


欠点

 欠点はデジタル・アナログ変換につきものの問題と同じ。

  • 動作(信号伝達)が遅い
  • デジタル・アナログ変換時に信号の損失が発生しえる

 前者はデータ量が多くなければ問題ないし、後者は良い素子を使うことで軽減できる。

 結果としてこれらの欠点より利点の方が勝ったということだろう。