No.114
【スマートフォン】イヤホンジャック接続の周辺機器
なんでイヤホンジャックに周辺機器を接続できるの?
iPhoneの周辺機器にはイヤホンジャックに接続するものが多い。というかiPhoneだと端子がLightningコネクタかイヤホンジャックしかないのだからそもそも選択肢がないという話がある。
Lightningコネクタはデータ用の端子だから良いとして、気になるのはイヤホンジャック接続機器の仕様。具体的には通信方法と電力がどうなってるのか、だ。だって音声信号やりとりする端子に機械が接続できるっておかしくねえ?
というわけで、Android含めてイヤフォンジャック接続の周辺機器がどう処理されているのかを調べてみた。
通信方法
本体とイヤホンジャック接続機器の信号は、デジタル信号をアナログ信号(正弦波)に変換してやりとりしている。というか、現実的にその方法しかない。
方式としては周波数変換式変調方式(FSK:Frequency Shift Keying)が使われているケースが多いようだ。何のことやら分からない人は、モデムの「ピーガー」音と同じだと理解しておけばOK。
通信モジュールと制御プログラムを提供しているProject HiJackの仕様によると、HiJackの通信速度は8.82kbpsと書かれている。
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The second offers 8.82 kbaud using a Manchester-encoded,...
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参考までにMIDI規格の通信速度は31.25kbps。その1/4程度と考えれば、カードリーダーや環境計測などの小規模のデータを扱う機器なら問題ない通信速度だと思われる。
電力
端子を流れる信号は電気による正弦波だ。つまり、変調して整流することで電力として利用できる。常に利用できるのは親機から送信されてくる信号、つまり音声のLR信号だ。
前述のProject HiJackによると、LR信号の片方からで7.4mWの電力を取り出せている。(22kHz駆動時の理論値の47%とのこと。整流回路の仕様は…回路図見ないとわからないや)
WiFi通信とか大電力を必要とするものは無理だけど、回路の素子なら充分駆動できるレベルではある。LEDとか温度・磁気センサなどが動けばいろいろとやれることは多いはずだ。
周辺機器によっては電力の切断などに備えるために電池やバッテリーを搭載しているものもある。昔ながらの電子工作と最新テクノロジーのスマートフォンが融合しているのは実に面白い。