No.451


【圧縮】映像エンコード覚え書き【符号化】

エンコード戦争はいつ終わりを迎えるのか…

更新情報 2024/2

 映像の圧縮方式を他人にざっくり説明するためにメモ書き。
 実際のエンコードは多数のパラメータでの比較・検討が必要になるので、詳細が必要な方は専門のサイトを検索することを推奨。

 個人的には、よく再生するものには速くて軽いH.264、保存用にはコストはかかるがサイズの小さくなるH.265を採用するのがよいかと思う。
 はやくAV1などが主流となって考えなくていいようにしてもらいたいものだ。

※2022/10時点の情報


圧縮率

 同じ画質でのファイルサイズは概ね以下の通り。
 つまり、この比率の分だけビットレート(1秒あたりのビット数。ファイルサイズに直結)を落としても、概ね同じ画質になるということになる。

AV1 > H.265/HEVC ≒ VP9 > H.264 ≒ VP8 > MPEG2
0.3   0.5                 1.0            2.0

※H.264を1とするファイルサイズ。


圧縮時間

 自分のエンコード履歴とネットの情報のため、おおよその雰囲気を掴む程度の情報としてどぞ。

AV1 > H.265 > HEVC > H.264 > MPEG2
無限大 3.0   1.0    1.0     不明

※H.264を1とする時間。
 AV1はH.265の10倍くらいと予想されるが不明。終わらなかった…


H.264

 MPEG2の代替として登場した現在主流のエンコード方法。
 各種ブラウザも完全対応。一昔前の動画配信サイトもこれを採用していた。

 画質はそのままでファイルサイズがMPEG2の1/2程度になる。

 古いハードでもハードウェア補助があって再生は軽い。
 エンコードもCPUで計算させても現実的な速度になるため利用しやすい。

H.265 / HEVC

 H.264の代替としてぶち上げたエンコード方法。特に4Kなどの高解像度の映像に対応するために考えられた。
 ライセンスの問題でWEB業界ではあまり普及していない。VLC playerなどは対応しているが、ブラウザでの再生はsafariのみ対応。

 MPEGの1/4、H.264の1/2くらいのサイズになるのは魅力的。再生時の負荷はハードウェア補助がないとちょっと重め。
 CPU計算だと時間はかかるが画質が良くなる傾向にあるようだ。

 HEVCはH.265のハードウェア補助あり版。
 再生、エンコードどもに軽くなるが、ライセンス問題からは逃れられないのでWEBではあまり普及していない。容量の厳しいスマートフォンやビデオカメラなどにはよく採用されている。
 CPU計算に比べて画質が悪くなりがちなのも問題としてあげられている。

VP9

 H.264の代替としてGoogleがぶち上げたエンコード方法。
 Youtubeなどで採用されたらしいが、中途半端だったためかAV1の開発にシフトした。

 H.265のライバルとしてよく出現するために記載したが、忘れてしまってOK。

AV1

 Googleがぶち上げたエンコード方法。高圧縮率とライセンスフリーで業界の覇権を狙う(NetflixやMicrosoftも賛同)。

 圧縮コストは莫大でCPUで計算させるのは無謀なレベル。再生のコストも高い。基本的にハードウェアでの補助が必要になる前提。
 ただ、通信コストとストレージ容量削減が主題の現在、本方式は注目を集めており、 Microsoftなど主要企業の参画もあるため、次世代大の主流の最本命と考えられる。
 とはいえ、現時点ではそのコストの高さから、個人の用途ではなく、エンコードのコストが回線のコストを上回る大規模業者向けと考えられる。

 ブラウザはChromeとSafariが対応。Edgeも2024年に対応した。
 GPU(グラフックチップ)もIntel、Nvidia、AMDの新しい世代ではハードウェアエンコーダーが搭載されてきている。

 密かに再生コストも高いため、モバイル用途などでは不向きか。ハードウェア補助があれば大丈夫か。