No.44


【地質学】世界最長・最大の洞窟

長い洞窟ってどんなのがあるのか

※この記事は2016年3月現在の情報である。

どんな場所にあるのか

 基本的に長かったり大きかったりする洞窟は石灰岩台地にある。石灰岩は水の浸食で容易に削れていく。そのため石灰岩台地の地下には雨水や地下水で削られた広大な洞窟が発達するケースが多い。日本では秋吉台は有名で、皆一度は聞いたことがあるだろう。

 秋吉台のように地表まで石灰岩の所もあれば、上部は砂岩が滞積していて地下だけが石灰岩の土地などもある。火山活動によっては地下深くに石灰岩が閉じ込められ、上に玄武岩とかが堆積している地形もあるのだろう。


世界でいちばん長い洞窟

 現在、世界でいちばん長いとされているのはアメリカ合衆国ケンタッキー州のマンモス・ケーブ国立公園にある洞窟群だ。

WIkipedia マンモス・ケーブ国立公園

 200平方㎞を超える広大な石灰岩大地に無数の洞窟が穿たれており、その総延長は600kmを超えている。一説によると800kmも余裕で超えると予想されているそうだ。もちろん直線で繋がっているわけではないけれど、基本的に水は下方に流れることを考えると、どこかに長く直線的に穿たれた洞窟が埋まっているのかもしれない。わくわく。

 この洞窟群の構造の特長としては、石灰岩台地の上に砂岩の層が形成されているため、洞窟自体が非常に強固になっていることだ。日本で石灰岩台地をくりぬいてトンネルを通すときは圧力を脆弱な石灰岩に変わって支える構造が必要になるが、この洞窟群では自然がそれを代行してくれているわけだ。

 その他にも水中洞窟で240kmを超えるOx Bel Ha洞窟群など世界には長い洞窟群は無数にある。まあ、昔は地球の大部分が海で、そこには厚く石灰岩が滞積しているんだから当然か。

Wikipedia Ox Bel Ha洞窟群


世界でいちばん大きな洞窟

 幅と長さで別れるが、現時点でいちばん長大な空間を持つとされているのが、ベトナムの石灰岩台地にあるソンドン洞窟だ。

Wikipedia ソンドン洞窟

 なんと、幅、高さ100mを超える洞窟が9kmに渡って続くという圧巻のスケールだ。

 単一の部屋の面積ならマレーシアのグヌン・ムル国立公園にあるサラワクチャンバーがかなり広い。

Wikipedia サラワクチャンバー

 700m×400m×高さ80mとか、想像するのも難しいくらいの広さだ。


結論

 石灰岩台地にはまだ見ぬ広大な洞窟が広がっている。