No.237


【映像】解像度とアスペクト比

何がどうやったら720×480が正方形っぽくなるのか

 難しそうだけど「解像度」と「画面アスペクト比」さえ分かればあとは計算だけ。


解像度

 「720×480」とか「1920×1080」などがこれ。映像データのドットの数、繊細さと言えばわかりやすいか。
 あくまでもデータのドットの数で、画面に表示されたときのピクセルの数ではない。

 よく誤解されているが、「4:3」とか「16:9」といわれているのはこれではない。後述の「画面アスペクト比」になる。


画面アスペクト比(Display Aspect Ratio:DAR)

 一般的にはこれが「アスペクト比」と表記される。「4:3」とか「16:9」といわれているのがこれ。映像データを表示するディスプレイの横縦比で、横の大きさ÷縦の大きさを示す。
 あくまでも画面の大きさの比率であり、前述の解像度の比率(「720×480」など)ではない。

 先ほどの解像度のデータを、この画面アスペクト比の画面に表示するために必要なのが後述のピクセルアスペクト比となる。

 なお、SAR(Screen Aspect Ratio)と略されているケースもある。


ピクセルアスペクト比(Pixel Aspect Ratio:PAR)

 ある解像度のデータを、ある画面アスペクト比のディスプレイに表示するときに映像データのドットをどんな縦横比でピクセルとして表示するか、という数値になる。

 この数値は表には出てこない。再生する機械が自動で計算して設定してくれる。
 計算は前述の解像度と画面アスペクト比を元に行われる。各種組み合わせの数値は下記サイトがわかりやすく例示してくれている。

ピクセルアスペクト比計算機

 画像アスペクト比「4:3」のときはピクセルアスペクト比が「8:9」で縦方向に引き延ばされ、画像アスペクト比「16:9」のときはピクセルアスペクト比が「32:27」で縦方向に縮められる。これがキモだ。


実際の例

 具体的にDVDを例にして計算してみよう。

 4:3に設定されたDVDの諸元は以下となる。

解像度 720×480
画像アスペクト比 4:3
ピクセルアスペクト比 8:9

 解像度だけ見ると比率は「720:480 = 3:2」だ。

 これをピクセルアスペクト比を考慮したピクセル数にしてみる。横方向はそのままで縦方向だけ  

(480ドット / 8) * 9 = 540ピクセル

 比率は「720:540 = 4:3」となった。ぱちぱち。

 同様に16:9に設定されたDVDも計算してみよう。

解像度 720×480
画像アスペクト比 16:9
ピクセルアスペクト比 32:27

 これをピクセルアスペクト比を考慮したピクセル数にしてすると。  

(480ドット / 32) * 27 = 405ピクセル

 比率は「720:405 = 16:9」となった。おー、すげえ。