No.29


【ビデオカメラ】フレームレートとシャッタースピード

ビデオカメラのフレームレートとシャッタースピードの関係

 ビデオカメラを初めて使う人間が戸惑う言葉にフレームレートとシャッタースピードがある。かくいう自分も最初は間違ってこんな恥ずかしいことを言っていた。

「フレームレートが30だから残像が出るんだよ。60にすればマシになるよ!」

 言ってること自体は間違っていない。でも正しくはない。正しい理解は以下。

「シャッタースピードが遅いから残像が出るんだよ。スピード上げればマシになるよ!」

 では簡単に説明を。


用語の意味

用語 意味
フレームレート 1秒間に何枚の静止画(写真)で動画が構成されているか
シャッタースピード 静止画(写真)を記録する時間

 つまり、フレームレートがどんなに遅くても、シャッタースピードさえ速ければ残像を残すことなく動画を撮ることが出来るわけ。

 カメラで高速で動く物を撮影するとき、シャッタースピードを1/1600とかにするのとまったく同じ理屈だ。


なんでわざと残像出すの

 じゃあ、なんでビデオカメラはシャッタースピードを遅くしてまで「残像を出す」のか。シャッタースピードが速ければクリアな映像になるはずなのに。

 これも理由は簡単、シャッタースピードが速すぎてフレームレートにあっていないとカクカクした動きになっちゃうから。紙芝居やノートの端のパラパラ漫画を思い出して欲しい。あんな感じだ。

 コマ数が少なく作られたアニメでは動きを見せるときはパースを狂わせたり、補助線を使ったり、それこそ残像を残したりしてごまかしてる。カメラではシャッタースピードを遅めにすることで残像を出し、コマを切り替えたときに次のコマとのつながりが自然になるようにしているわけだ。

 もちろん動きの速い対象を鮮明に捉える場合はシャッタースピードを速くするけど、そうすると動画としてはコマ送りになってしまう。切り出し加工前提なのかもしれない。


適切なシャッタースピードは?

 これはいろいろな意見が散見されるけど、目立つのは以下の2点。

  • フレームレートの倍
  • 関東だと1/50もしくは1/100、関西では1/60もしくは1/120

 後者は交流電圧の周波数によるもの。蛍光灯のチカチカのタイミングと同期させることで映像の明るさを一定に保つ工夫。